MRI画像の理解

total:28746 today:2 yesterday:71

信号強度の理解

画像の説明
CTでは、骨は白く、水は黒く、脳はその中間のいろいろな濃さの灰色に見えます。
脳梗塞は壊死した脳組織は黒く見えますが、CTでわかるようになるまでに少なくとも
数時間以上かかります。
最初、何もなくても、普通は時間をおいてもう一度検査するとはっきり出てきます。
ですから、半身のまひが起こり1時間後に病院でCT検査をして白い塊が見つかれば、
直ちに脳出血と診断できますし、出血がなければ脳梗塞の可能性が高いという診断に
なります。
脳出血も脳梗塞も、起こって数時間後から周りがしだいに脳浮腫になって、
CTでは黒く見えます。つまり、脳出血では、白く見える出血の周りを黒く見える脳浮腫が取り囲むようになり、脳梗塞の場合はどちらも黒く見えるので病巣全体が大きくなって見えます。

一般的に新しい脳梗塞や脳浮腫は「T1強調画像」では黒っぽく、そのほかの撮り方では白く見えます。
脳梗塞の病巣は時間が経つと脳軟化症という言葉で示されるように、脳組織が溶けた状態になります。中に「水」のようなものが入っていると想像してもらえばよく、MRIの
「T1強調画像」では黒く、「T2強調画像」では白く、「フレアー画像」では黒く見える
ようになります。
脳の底にある、小脳や脳幹と呼ばれる部分は厚い骨に囲まれているためにエックス線の
乱れが起こり、CTではよく見えませんが、MRIならその構造や病変がよくわかります。
T1強調画像とは、体内の脂肪分を強調して撮影する方法で、椎間板の突出や出血の状態を確認するのに有意な撮影方法で、T1強調画像の場合は、極端な話、そもそも白く写る病変が脂肪か出血か高濃度蛋白かメラニンくらいなものです。
T2強調画像は、体内の水分を強調して撮影する方法で、髄液や膀胱内の状態を確認するのに有意な撮影法とされており、白く写る病変は、非特異的な水の信号、出血、脂肪です。

[A]最も普遍的病変信号long T1, long T2 パターン
画像の説明
このパターンはT1-low,T2-highといわれ、long T1,long T2と呼ばれる。病変のT1値が長いためT1WI(T1強調画像)で低信号、病変のT2値が長いためT2WI(T2強調画像)で高信号を呈する。
long T1, long T2 パターンをとる該当疾患は*良性疾患*急性炎症である。

  • 病変一般はT1強調画像(T1weighted image)で低信号を示すので、高信号を示すと特異的信号といえる。T1強調画像では多少の水のあるところで低信号(黒い)を、脂肪や混じりけのある水(高蛋白液)のあるところで高信号(白い)である。浮腫などのように水が豊富な物質はT1の長い物質である。
    高信号を見つけた場合は「選択的脂肪抑制T1強調画像」で鑑別する。「選択的脂肪抑制T1強調画像」で低信号(抑制されれば)を示せば脂肪ということになり、抑制されず高信号であれば混じりけのある水(高蛋白液)ということになる。
    水が少ない時はもともと信号を出すプロトンが少ないので低信号となる。
  • 病変一般はT2強調画像(T2weighted image)で高信号を示すので低信号を示すと特異的信号といえる。T2強調画像では水や脂肪の多いところは白く(高信号)、水の少ないところでは低信号(黒い)となる。
    T2強調画像で低信号を示す場合はT2が短く水が少ない。線維化や石灰化は低信号を示し、半月板も低信号を呈する。

[B]malignancyを疑うmedium T2パターン
画像の説明0画像の説明

病変T1値は長いためT1WIで低信号となる。
病変T2値があまり長くない(信号強度があまり高くない)ためT2WIで中等度高信号を呈するか(a)、または、どちらかというと低信号(b)を呈するパターンとなる。
原因として①水が多くない②T2値が長くないの2通りでmediumT2と呼ばれる。
ただし、良性腫瘍でも繊維の多いもの、軽度の浮腫や早期の脳梗塞などでもT2WIで信号強度があまり高くないので要注意である。

medium T2パターンをとる該当疾患
0*悪性疾患*慢性炎症


Long T2 lesion(信頼度65%の原則)
信号強度    すごく白い          やや白い
        Long T20000000000000000 medium T2
炎症     急性炎症           慢性炎症
     (虫垂炎に伴う腹膜炎)       (肉下種やカリエス)  
腫瘍     良性腫瘍           悪性腫瘍


  
[C]特異的信号short T1パターン
画像の説明0画像の説明

病変のT1値が短いため、T1WIで高信号を呈する。
T1 が十分短いと高信号を示す(a)
T1 が少し短いと軽度高信号を示す(b)
T2 強調画像においてもT1短縮効果が現れ画像が白い方向に働く。
一方、T1が短い液体はT2も短くなり画像を黒くする方向に働く。
①信号を低下させるT2 短縮効果が小さい場合は、T1短縮効果が優位に現れ、T2WIで高信号を呈する。普通の水よりも高信号の液体を見たら混ざりものがある可能性(T1短縮効果)を考える。わずかな出血を疑う。
②信号を低下させる効果のあるT2WIが大きい場合は、T2短縮効果が優位となり低信号を呈する。信号低下が軽度にとどまっている場合をshort T1 signalのパターンと定義する。

short T1 signalパターンの該当疾患
0*高蛋白液・ムチン*血腫*一部の石灰化*T1 shortening agent(Gd製剤、クエン酸鉄アンモニウム)

[D]特異的信号short T2パターン00000特異的信号signal voidパターン
画像の説明0画像の説明

病変のT2値が短いとT2WIで低信号を呈する。
病変のT1値も短いためT1WIで高信号を呈する。
病変のT2値が著明に短いときはT2WIにおける信号強度も低下する。

Short T2パターンをとる該当疾患
0*陳旧性血腫*一部の肉芽種*melanoma

①水分含有量(プロトン量)が少ないとT2WIでもT1WIでも低信号を呈するsignal void パターンとなる。
②T2が非常に短いとT1WIでも低信号を呈するためsignal voidとなる。

Signal void パターンをとる該当疾患
0*Flow void(プロトンがない)*陳旧性血腫(hemosiderin)*高濃度のT1shortening agent(Gd造影剤、クエン酸鉄アンモニウム)*T2 shortening agent

選択的脂肪抑制画像

T1強調画像で高信号を呈するものの代表に脂肪があり、その他、血腫、ムチン、高蛋白液がある。
石灰化も高信号を呈する場合がある。このような場合に選択的脂肪抑制T1強調画像を撮影すると脂肪かそうでないか鑑別できる。
しかし、対象が脂肪以外のT1短縮物質であった場合は造影効果を確認する事は困難である。

選択的脂肪抑制T2強調画像
脂肪かどうかの識別には用いられない。
脂肪抑制を入れる事で脂肪に埋もれていたかすかな高信号病変を検出するのに用いられる。
多くの病変はT2強調画像で高信号を呈するのでT2強調画像は病変の検出効率がよい撮影法である。
脂肪が存在する脳以外の殆どの部分では高信号が検出されにくくなるので脂肪抑制が有効である。
脳内の高信号を呈する病変の検出能は良好である。
脳以外の組織では脂肪が多いので一般に高信号を呈する病変の検出能は不良である。
脂肪抑制を行うことにより検出能を上げることができる。

MRCPでlong TEのthick sliceで膵管胆管の全体像が把握できる
Short TEのthin sliceで胆嚢内の胆石が陰影欠損として描出される。

STIR画像はあくまでも脂肪抑制によるT2延長病変検出能の向上を目的として使用する。
IR法(inversion revovery)はSTIR法として応用が殆どである。

Opposed imageによる他臓器浸潤の判断

多臓器浸潤/原発臓器の判断

①腫瘍と隣接臓器との間に脂肪があれば、腫瘍と脂肪、または、正常組織と脂肪との間に低信号帯が生ずるはずである。(true negative)
間に低信号帯があれば間に脂肪が介在するので腫瘍はその臓器から発生していない。

②腫瘍が隣接臓器に浸潤していれば低信号は消失するはずである。(true positive)
腫瘍が当該臓器から発生していたならば低信号は認められない。

③腫瘍が隣接臓器に接していたならば、あるいは画像の分解能よりも接近していたならば低信号は消失する可能性が高い。(false positive)
腫瘍が臓器に非常に近接していれば低信号は認められない。

すなわち、低信号帯が認められないなら浸潤の可能性は低いし、
低信号帯が認められるならその臓器からの外方進展の可能性は低い。

powered by Quick Homepage Maker 4.81
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional